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国家行政組織法で見ておくべき条文とは?

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行政組織法の論点において、知っておいてほしい法律。

それが国家行政組織法です。

受験生のなかには、対策が手薄になっている人も少なくないこの法律。

実は全部で25条しかありません。

ですから、重要なものはきちんと読んでおいてほしいと思っています。


(目的)
第一条  この法律は、内閣の統轄の下における行政機関で内閣府以外のもの(以下「国の行政機関」という。)の組織の基準を定め、もつて国の行政事務の能率的な遂行のために必要な国家行政組織を整えることを目的とする。

←まずは目的条文です。目的条文は言うまでもなく重要度が高い。特に「内閣府以外のもの」という文言が重要です。
内閣府に関する定めは、内閣府設置法に置かれています。


(行政機関の設置、廃止、任務及び所掌事務)
第三条  国の行政機関の組織は、この法律でこれを定めるものとする。

2  行政組織のため置かれる国の行政機関は、省、委員会及び庁とし、その設置及び廃止は、別に法律の定めるところによる。

3  省は、内閣の統轄の下に行政事務をつかさどる機関として置かれるものとし、委員会及び庁は、省に、その外局として置かれるものとする。

4  第二項の国の行政機関として置かれるものは、別表第一にこれを掲げる。

←3条で定められている、省、委員会、庁のことを、「3条機関」といいます。

(行政機関の長)
第五条  各省の長は、それぞれ各省大臣とし、内閣法 (昭和二十二年法律第五号)にいう主任の大臣として、それぞれ行政事務を分担管理する。

2  各省大臣は、国務大臣の中から、内閣総理大臣がこれを命ずる。但し、内閣総理大臣が、自らこれに当ることを妨げない。
第六条  委員会の長は、委員長とし、庁の長は、長官とする。

(内部部局)
第七条  省には、その所掌事務を遂行するため、官房及び局を置く。
2  前項の官房又は局には、特に必要がある場合においては、部を置くことができる。
3  庁には、その所掌事務を遂行するため、官房及び部を置くことができる。
(以下省略)

←省の中のセクションとして一番大きいものが、「局」です。省のなかに置かれていることから、「内局」と呼ぶ場合もあります。3条3項で定められている「外局」と対比しておくとよいでしょう。


(審議会等)
第八条  第三条の国の行政機関には、法律の定める所掌事務の範囲内で、法律又は政令の定めるところにより、重要事項に関する調査審議、不服審査その他学識経験を有する者等の合議により処理することが適当な事務をつかさどらせるための合議制の機関を置くことができる。

←いわゆる「諮問機関」のことですね。

(地方支分部局)
第九条  第三条の国の行政機関には、その所掌事務を分掌させる必要がある場合においては、法律の定めるところにより、地方支分部局を置くことができる。

←例えば、国税庁の地方支分部局として、都道府県に国税局、市町村に税務署がそれぞれ置かれています。


第十二条  各省大臣は、主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、それぞれその機関の命令として省令を発することができる。

2  各外局の長は、その機関の所掌事務について、それぞれ主任の各省大臣に対し、案をそなえて、省令を発することを求めることができる。

3  省令には、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができない。

第十三条  各委員会及び各庁の長官は、別に法律の定めるところにより、政令及び省令以外の規則その他の特別の命令を自ら発することができる。

2 前条第三項の規定は、前項の命令に、これを準用する。

第十四条  各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、公示を必要とする場合においては、告示を発することができる。

2  各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、命令又は示達するため、所管の諸機関及び職員に対し、訓令又は通達を発することができる。

←12条~14条は、行政立法の論点で取り上げることがあるものです。


(副大臣)
第十六条  各省に副大臣を置く。

2  副大臣の定数は、それぞれ別表第三の副大臣の定数の欄に定めるところによる。

3  副大臣は、その省の長である大臣の命を受け、政策及び企画をつかさどり、政務を処理し、並びにあらかじめその省の長である大臣の命を受けて大臣不在の場合その職務を代行する。

4  副大臣が二人置かれた省においては、各副大臣の行う前項の職務の範囲及び職務代行の順序については、その省の長である大臣の定めるところによる。

5  副大臣の任免は、その省の長である大臣の申出により内閣が行い、天皇がこれを認証する。

6  副大臣は、内閣総辞職の場合においては、内閣総理大臣その他の国務大臣がすべてその地位を失つたときに、これと同時にその地位を失う。

←副大臣は必ず置かなければなりません。置く人数は国家行政組織法の中で具体的に定められています。

そして、副大臣の権限は、大臣の職務を全面的にサポートするというものです。

(大臣政務官)
第十七条  各省に大臣政務官を置く。

2  大臣政務官の定数は、それぞれ別表第三の大臣政務官の定数の欄に定めるところによる。

3  大臣政務官は、その省の長である大臣を助け、特定の政策及び企画に参画し、政務を処理する。

4  各大臣政務官の行う前項の職務の範囲については、その省の長である大臣の定めるところによる。

5  大臣政務官の任免は、その省の長である大臣の申出により、内閣がこれを行う。

6  前条第六項の規定は、大臣政務官について、これを準用する。

←大臣政務官は、必ず置かなければなりません。副大臣同様、定数は国家行政組織法において具体的に定められています。

大臣政務官の権限は、大臣の業務をスポット的にサポートするというものです。

(事務次官及び庁の次長等)
第十八条  各省には、事務次官一人を置く。

2  事務次官は、その省の長である大臣を助け、省務を整理し、各部局及び機関の事務を監督する。

(以下省略)

←事務次官は、官僚側のトップとして、大臣のサポートを行います。当たり前ですが、事務次官は各省に1名ずつ置かれます。

(秘書官)
第十九条  各省に秘書官を置く。

2  秘書官の定数は、政令でこれを定める。

3  秘書官は、それぞれ各省大臣の命を受け、機密に関する事務を掌り、又は臨時命を受け各部局の事務を助ける。

←秘書官は必ずおかなければなりません。
大臣が国会答弁をするときに、背後に控えていてメモを渡したりするなんてことがありますが、それをやってるのが秘書官です。

試験で押さえておくべき条文は、ここまでです。

ちなみに、「1府12省庁」なんて言葉、聞いたことありませんか?

国家行政組織法の別表第一というところには、そのうちの11省庁が定められています。

総務省 、法務省 、外務省 、 財務省 、文部科学省 、厚生労働省 、 農林水産省 、経済産業省
国土交通省 、環境省   防衛省 で、11です。

1府は内閣府ですね。
 
最後のひとつは、なんだか知ってますか?

復興庁だと思ったあなた。

それは違います。

実は、内閣府の外局として置かれている国家公安委員会がそれなんですね。

国家公安委員会には、警察庁が置かれているので、これを12省庁のなかに含めてカウントすることにしているのです。

また、人事院は国家公務員法に定められているのであり、国家行政組織法には出てきません。
中央人事行政機関として、高い独立性が認められているので、どこかの省の外局という位置付けでもありません。    





                        


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